
厳しい暑さが続く夏場は、大人だけでなく赤ちゃんの熱中症や脱水症状が心配になる季節ですね。赤ちゃんは大人よりも体温調節が苦手で、たくさんの汗をかくため、こまめな水分補給が欠かせません。
そこで多くのママやパパが検討するのが、ノンカフェインで体に優しい「麦茶」です。しかし、「いつから飲ませていいの?」「大人用をそのままあげても大丈夫?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、赤ちゃんに麦茶を与える適切な時期や、夏場の水分補給で失敗しないためのポイント、さらには嫌がるときの対処法まで詳しく解説します。赤ちゃんの健やかな成長を支えるための参考にしてください。
赤ちゃんに麦茶を飲ませるタイミングや、なぜ夏場の飲み物として麦茶が推奨されているのか、その理由から見ていきましょう。赤ちゃんの体の仕組みを理解することで、より安心して与えることができます。
赤ちゃんが麦茶を飲み始める時期として最も一般的なのは、離乳食がスタートする生後5?6ヶ月頃です。この時期になると、母乳やミルク以外の食べ物を口にする練習が始まるため、新しい味の飲み物を受け入れやすくなります。
離乳食が始まる前の赤ちゃんは、基本的に母乳やミルクだけで十分な栄養と水分を摂取できています。逆に、早い時期から麦茶をたくさん飲ませてしまうと、お腹がいっぱいになってしまい、大切な授乳量が減ってしまう可能性があるので注意が必要です。
ただし、夏場に大量に汗をかいたときや、お風呂上がりなどで喉が乾いている様子が見られる場合には、生後1ヶ月頃から飲めるベビー用麦茶を少量試してみるのも一つの方法です。基本的には「離乳食に合わせてゆっくりスタート」と考えておけば問題ありません。
焦って飲ませる必要はなく、まずはスプーン一杯から赤ちゃんの様子を見て、少しずつ麦茶の味に慣らしていくことが大切です。
麦茶が赤ちゃんに適している最大の理由は、カフェインが含まれていないことです。一般的な緑茶やウーロン茶、紅茶などにはカフェインが含まれており、これらは赤ちゃんの脳や内臓に強い刺激を与えてしまいます。
赤ちゃんの肝臓や腎臓はまだ未発達で、カフェインを分解して体外に排出する力が非常に弱いため、少量でも摂取すると興奮して眠れなくなったり、心拍数が上がったりする恐れがあります。その点、麦茶は大麦を原料としているため、安心して与えられるのです。
また、麦茶にはタンニンという成分もほとんど含まれていません。タンニンは鉄分の吸収を妨げる性質がありますが、麦茶なら成長に欠かせない鉄分の吸収を邪魔する心配がないのもメリットです。
糖分も一切含まれていないため、虫歯のリスクを気にせず、夏場の日常的な水分補給として日常的に活用できるのが魅力といえるでしょう。
夏場の水分補給において、ただの「水」よりも麦茶が選ばれる理由の一つに、ミネラルの含有があります。赤ちゃんは新陳代謝が非常に活発で、大人の2倍近い汗をかくと言われています。
汗と一緒に失われるのは水分だけではありません。ナトリウムやカリウムといった大切なミネラル分も体外へ流れ出てしまいます。これらが不足すると、体に力が入りにくくなったり、熱中症を引き起こしたりする原因になります。
麦茶にはこれらのミネラルがバランスよく含まれており、汗で失われた成分を効率よく補う手助けをしてくれます。そのため、夏場の熱中症対策には非常に有効な飲み物なのです。
また、麦茶の香ばしい香り成分である「ピラジン」には、血流を良くする効果があるともいわれています。体の巡りをスムーズに保つことは、体温調節が未熟な赤ちゃんの夏バテ予防にもつながります。
麦茶の主なメリットまとめ
・ノンカフェインなので赤ちゃんの胃腸に負担がかからない
・無糖なので日常の水分補給に適しており、虫歯の心配がない
・ミネラルを含んでいるため、汗で失われた栄養を補給できる
・ピラジン成分が血流をサポートし、夏の体調管理に役立つ
赤ちゃんは自分で「喉が乾いた」と言うことができません。そのため、大人が適切なタイミングを見計らって水分を促すことが、夏場の脱水症状を防ぐための鍵となります。生活リズムの中に補給の時間を組み込みましょう。
赤ちゃんは寝ている間も驚くほどたくさんの汗をかいています。朝起きた直後や、お昼寝から目覚めたタイミングは、体内の水分が減少している状態です。まずは一口、麦茶を飲ませてあげる習慣をつけましょう。
また、夏場の外出時や帰宅後も非常に重要なタイミングです。ベビーカーに乗っている赤ちゃんは地面からの照り返しを受けやすく、大人が感じている以上に高温の環境にさらされています。外にいるときこそ、こまめな補給を意識してください。
お出かけ中は「20分?30分に一度」くらいのペースで、少量ずつ飲ませるのが理想的です。一気にたくさん飲ませるのではなく、ちびちびと回数を分けて補給することで、体に水分が吸収されやすくなります。
お外遊びをしているときも、夢中になっていると喉の渇きを忘れてしまうことがあるため、大人が意識して休憩を挟むようにしましょう。
お風呂上がりも汗をかきやすく、水分補給が欠かせない場面です。湯船に浸かることで体温が上がり、体内の水分が失われるため、お風呂から出たらすぐに水分を摂らせてあげてください。
さらに見落としがちなのが、「激しく泣いた後」です。赤ちゃんが力一杯泣くと、呼気や汗から水分がどんどん放出されます。泣き止んで落ち着いたタイミングで、麦茶を差し出してあげると喉が潤い、赤ちゃんもリラックスしやすくなります。
泣いた後は体力を消耗しているため、ミネラル補給もできる麦茶は最適です。もし麦茶を嫌がるようなら、このときは無理をせず、飲み慣れた母乳やミルクを与えても構いません。
重要なのは、大きなエネルギーを使った後には必ず水分が必要だということを、保護者が認識しておくことです。赤ちゃんの様子をよく観察し、顔が赤くなっていたり、唇が乾燥していたりしないかチェックしましょう。
離乳食が進んでくると、食事の内容に合わせて麦茶を与えるタイミングも変化します。離乳食初期であれば、食事の最後にお口の中をさっぱりさせる目的で一口飲ませるのがスムーズです。
食事中に水分を摂りすぎると、噛まずに流し込む癖がついたり、お腹が膨れて肝心の離乳食を食べられなくなったりすることがあります。そのため、基本的には「食事の終わり」や「食間」に与えるのがベストです。
また、授乳とのバランスも考慮しましょう。母乳やミルクは赤ちゃんにとって大切な栄養源です。夏だからといって麦茶ばかりを飲ませて、授乳回数が極端に減ってしまうと、栄養不足になる心配があります。
あくまでメインの栄養はミルクや母乳から、失われた水分のプラスアルファとして麦茶を活用する、というバランスを心がけると、健やかな成長を妨げずに水分補給ができます。
脱水のサインをチェック!
夏場は以下の様子がないかこまめに確認しましょう。
・おしっこの回数がいつもより少ない、または色が濃い
・口の中や唇がカサカサに乾いている
・泣いても涙が出にくい
・元気がなく、なんとなくぐったりしている
このようなサインがある場合は、早急な水分補給と医師への相談を検討してください。
大人が飲む麦茶をそのまま赤ちゃんに与えても良いのか、作り置きはどのくらい持つのかなのか。デリケートな赤ちゃんの胃腸を守るために、正しい作り方と保存方法をマスターしましょう。
赤ちゃん専用のベビー麦茶も市販されていますが、家で大人が飲んでいる麦茶を分けてあげたい場合もありますよね。基本的には大人用でも問題ありませんが、そのままだと味が濃すぎたり苦味があったりします。
初めて麦茶を飲む赤ちゃんや、離乳食初期の赤ちゃんに与える場合は、大人用の麦茶を「湯冷まし(一度沸騰させて冷ました水)」で2倍?4倍程度に薄めてあげましょう。これにより、苦味が抑えられて赤ちゃんが飲みやすくなります。
薄める比率に厳密な決まりはありませんが、大人が飲んでみて「少し麦の香りがするかな?」と感じる程度の薄さが目安です。麦茶に慣れてくる生後9ヶ月以降や1歳を過ぎた頃からは、徐々に濃度を上げていっても大丈夫です。
薄める際には、水道水をそのまま使うのではなく、必ず一度しっかりと沸騰させた水を使ってください。水道水に含まれる塩素や不純物を取り除くことで、赤ちゃんの未発達な内臓への負担を減らすことができます。
実は、麦茶は緑茶などとは異なり、抗菌作用のあるカテキンが含まれていません。そのため、非常に雑菌が繁殖しやすく、傷みやすい飲み物であることを覚えておきましょう。
特に気温の高い夏場は、常温で放置するのは厳禁です。作った麦茶は、粗熱が取れたらすぐに冷蔵庫に入れましょう。冷蔵保存であっても、赤ちゃんに与える場合は「その日のうちに使い切る」のが最も安全なルールです。
もし一度にたくさん作った場合は、製氷皿などを使って「冷凍保存」するのも賢い方法です。凍らせておけば1週間程度は保存が可能ですし、使う分だけレンジで加熱したり、お湯を足して温度を調節したりできるので非常に便利です。
一度口をつけたマグや哺乳瓶の中身は、唾液が入ることでさらに腐りやすくなります。飲み残しを再び冷蔵庫に入れて後で飲ませるようなことは避け、もったいないと感じても必ず処分するようにしてください。
夏場はどうしてもキンキンに冷えた飲み物をあげたくなりますが、赤ちゃんの胃腸は非常にデリケートです。冷たすぎる飲み物は内臓に刺激を与えすぎ、腹痛や下痢の原因になってしまいます。
赤ちゃんに与える麦茶の理想的な温度は、常温、もしくは人肌程度のぬるま湯くらいです。冷蔵庫から出したばかりの麦茶は、少しお湯を足したり、電子レンジで数秒温めたりして、冷たさを取ってから与えましょう。
温度を確かめる際は、大人の手の甲に一滴垂らしてみて、熱すぎず冷たすぎないことを確認するのが確実です。特に夏バテ気味の赤ちゃんは胃腸の動きも鈍くなっているため、温度管理には細心の注意を払いましょう。
冷たいものを欲しがるようになる幼児期までは、基本的には「冷やさない」ことが健康管理のポイントです。ぬるい麦茶を嫌がる場合は、冷たさを感じるギリギリの「ひんやりしない常温」を目指して調整してみてください。
手作り麦茶のポイント
・大人用を薄める時は2?4倍の湯冷ましで割る
・水道水を使う場合は、5分以上沸騰させてから冷ます
・衛生面を考慮し、冷蔵庫でも当日中に飲みきる
・大量に作った時は小分けにして冷凍保存を活用する
いざ麦茶をあげてみても、顔を背けたり吐き出したりしてしまうことは珍しくありません。麦茶の味や、母乳とは違う飲み口に戸惑っている赤ちゃんに、無理なく慣れてもらうためのステップをご紹介します。
これまで母乳やミルクしか飲んだことがない赤ちゃんにとって、麦茶の「香ばしさ」や「苦味」は、今まで体験したことのない不思議な味です。まずは無理にたくさん飲ませようとせず、味を覚えるところから始めましょう。
最初からマグや哺乳瓶で与えるのではなく、離乳食で使い慣れたスプーンで「ペロっ」と舐めさせる程度からスタートするのがおすすめです。お口の中に少しだけ入れることで、赤ちゃんも驚かずに味を確かめることができます。
スプーンで嫌がらなくなったら、次はスパウト(飲み口が吸いやすい形状のマグ)を試してみましょう。哺乳瓶の乳首に近い感覚で吸えるため、移行がスムーズに進みやすいのが特徴です。
一つひとつのステップをゆっくり進めることで、赤ちゃんは「これは安全な飲み物なんだ」と認識できるようになります。焦らず、赤ちゃんのペースを最優先にしてあげてください。
どうしても麦茶の独特の香りを嫌がる場合は、思い切ってかなり薄い状態から始めてみてください。お水(白湯)に近い状態から少しずつ麦茶の割合を増やしていくことで、徐々に味に慣れていくことができます。
また、麦茶の種類を変えてみるのも有効な手段です。市販のベビー用麦茶は、苦味を抑えて甘みを引き出すようなブレンドになっていることが多く、自家製の麦茶を嫌がる子でも飲んでくれる場合があります。
麦茶が苦手なら、代わりに「十六茶」などのブレンド茶や「ほうじ茶」のベビー用を試してみるのも良いでしょう。ノンカフェインであれば、無理に麦茶だけに固執する必要はありません。
どうしてもお茶類を一切受け付けない場合は、無理をせず白湯(お水)で水分補給を行っても構いません。まずは水分を摂ることが最優先ですので、お茶は気が向いたときに再挑戦するくらいの気持ちで構えましょう。
「夏だから飲ませなきゃ!」という大人の焦りは、赤ちゃんにも伝わってしまいます。無理やり口に入れようとすると、赤ちゃんは麦茶そのものを嫌いになってしまうこともあるので注意が必要です。
赤ちゃんが口を閉じたり、手で払いのけたりしたら、その場はすぐに引き下がりましょう。代わりに、パパやママが美味しそうに麦茶を飲む姿を見せてあげるのが効果的です。「おいしいね」「ごくごくしようね」と笑顔で声をかけてあげてください。
好奇心旺盛な赤ちゃんは、大人がやっていることに興味を持ちます。大人が楽しそうに飲んでいるのを見て、「自分も飲んでみたい!」と思わせることが、自発的な水分補給への第一歩になります。
また、可愛い絵柄のマグや、お気に入りのキャラクターがついたストローなどを使うのも一つの手です。視覚的な楽しさをプラスすることで、水分補給の時間がポジティブな時間へと変わっていきます。
なかなか飲まない時のアイデア
・スプーン一杯を遊び感覚であげる
・大人が目の前で「おいしい!」と飲んで見せる
・お風呂上がりなど、一番喉が乾いている時に差し出す
・お気に入りのマグや器を使って特別感を出す

夏場のお出かけは、移動中や滞在先での水分補給が重要です。しかし、屋外は室内よりも温度が高く、飲み物が傷みやすい環境でもあります。安全に麦茶を持ち運ぶためのコツを押さえておきましょう。
夏場の外出時に麦茶を持ち歩くなら、保冷機能のある真空断熱構造のマグが非常に役立ちます。飲み物の温度が上がりにくいため、雑菌の繁殖をある程度抑えることができ、赤ちゃんにとっても飲みやすい温度を保てます。
もし専用のマグがない場合は、100ml?125ml程度の飲みきりサイズになった「紙パック入りのベビー麦茶」を活用するのが最も衛生的です。未開封であれば常温で持ち運べますし、必要なときに開けて、一度で飲み切れるので安心です。
また、ストロー付きのパックは飲み終わったらそのまま捨てられるため、荷物を減らしたいママやパパにとっても大きなメリットがあります。万が一バッグの中で漏れる心配も少なく、非常にスマートです。
保冷バッグにマグと保冷剤を一緒に入れて持ち歩くのも良い方法ですが、あまりに冷えすぎると結露でバッグの中が濡れてしまうことも。タオルで巻くなどの工夫をすると、周囲を濡らさず快適に持ち運べます。
外出先で赤ちゃんが少しだけ飲んで残した場合、「あとでまた飲むかも」と思って取っておきたくなりますが、これは夏場には特に危険な行為です。
一度ストローや口をつけた飲み物には、赤ちゃんの口の中の雑菌が混入します。気温の高い屋外では、わずか1?2時間放置しただけでも、目に見えない菌が爆発的に増殖してしまうことがあります。
お出かけ中は、「その都度飲み切れる量だけを与える」のが基本です。マグに入れる量を少なめにしておき、足りなければ足すようにしましょう。飲み残した分は、心を鬼にしてすぐに捨てることが、赤ちゃんの健康を守ることにつながります。
また、公共の場で飲ませる際は、飲み口が汚れないよう注意し、使用後は除菌シートなどで軽く拭いておくとより衛生的です。常に「フレッシュな状態」を保てるよう意識してあげてください。
予定より長く外出することになり、用意していた麦茶が足りなくなってしまうこともあります。そんな時は、ドラッグストアやスーパー、一部のコンビニで売られているベビー飲料を活用しましょう。
選ぶ際のポイントは、必ず「乳児用規格適用食品」と記載されているものを選ぶことです。これは、放射性物質や添加物に関して赤ちゃん向けの厳しい基準をクリアしている証拠ですので、安心して選ぶことができます。
また、自動販売機などで大人が飲む麦茶を買う場合は、やはり白湯などで薄めてあげる必要があります。外出先では白湯を用意するのが難しいこともあるため、やはり最初から赤ちゃん専用として売られているお茶を探すのが無難です。
緊急事態に備えて、バッグの中に予備の粉末タイプの麦茶を一袋忍ばせておくと、お湯さえあればどこでも作ることができるので、お守り代わりに持っておくのもおすすめのアイデアです。
| 持ち運び方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 保冷マグ | 温度を一定に保てる | 重さがある、洗浄が大変 |
| 紙パック | 衛生的で捨てられる | 強く持つと中身が飛び出す |
| 粉末タイプ | 軽くて荷物にならない | 水や白湯が必要 |

夏場の赤ちゃんにとって、麦茶は水分とミネラルを同時に補給できる非常に優れた飲み物です。ノンカフェインで無糖、そして何より体に優しい麦茶は、暑い季節の体調管理において心強い存在となってくれます。
与え始める時期は、離乳食が始まる5?6ヶ月頃を目安にしつつ、赤ちゃんの成長に合わせてゆっくりと進めていきましょう。大人用の麦茶を薄めて使う場合は、衛生面や温度に十分配慮してあげることが大切です。
もし最初から上手に飲めなくても、焦る必要はありません。お風呂上がりや寝起きなど、喉が乾きやすいタイミングを狙って、スプーン一杯のコミュニケーションから始めてみてください。何より、ママやパパが笑顔で寄り添ってあげることが、赤ちゃんが新しい習慣を身につける一番の助けになります。
こまめな水分補給を心がけ、脱水症状や熱中症のサインを見逃さないように気をつけてあげましょう。適切な方法で麦茶を取り入れ、赤ちゃんと一緒にこの夏を元気に、健やかに乗り切っていきましょう!